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19 氏家宿〜20 喜連川宿  栃木県さくら市(旧氏家町〜旧喜連川町)

 踏切の突き当りには、事前に調べた通り道標があった。 道標は新しいものだったが、傍にはずいぶん古そうなお地蔵さんがいた。多分江戸の昔からのものだろう。

 ここを左折した道が、氏家宿のあった場所にあたる。 現在は生活路になっているが、旧道を思わせるちょうど良い道幅であった。

 なお氏家宿は奥州街道19番目の宿場であると同時に、いくつかの街道の起終点でもあった。

 まず、ここから矢板市を経由して福島の会津若松まで伸びる「会津中街道」。そして、白河までの別ルートである「原方街道」。 前者は18世紀前期に重要視された道であり、また戊辰戦争の激戦の舞台になった街道でもある。 一方後者は主に物資を運ぶ道で、奥州街道の脇街道の位置づけながら幕府から重要視されていた街道であった。 なお氏家から白河までの国道4号は、奥州街道よりこの原方街道に近いルートをとっている。

 氏家の交差点で、新道にあたる国道293号に切り替える。旧道だと迷う可能性があるからだ。 なお後で調べて分かったが、旧道は氏家駅の前あたりまで真っ直ぐで、そこから東方向に曲がっている。

 案内標識によれば、国道293号をずっと進めば茨城の常陸大宮まで行くことができるようだ。 一度自分は何かの時にこの常陸大宮の名を聞いた気がするのだが……思い出せない。

 ここから次の喜連川宿までは、ゆっくりのペースなら自転車で15分ほどの距離にある。



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