09 古河宿〜10 野木宿 茨城県古河市〜栃木県野木町
古河の市街地まであと1kmほどの地点。右方向に曲がった旧日光・奥州街道の先には、松がいくつも植えられていた。 当時この中田宿〜古河宿間には松並木があり、「中田の松原」と呼ばれていた。 アップダウンがない並木道で、近くには古河城の白壁が、遠くには富士山・筑波山・筑波山などの山々が見られたという。 絵画や詩などにもこの松並木が多数記録されており、まさしく五街道を代表する松並木だった。 ただし時代の流れで、明治になって古河城はなくなり、松並木も昭和前期の道路拡張工事などで残っていない。 そこにあった看板には、当時の松並木を復活させるために、松の植樹をしたということが書かれていた。 平成17年ということは、9年前(当時まだ自分は小学生だった)。 自分が若さを懐かしむ頃には、少しは江戸時代の景観が復活しているのだろうか。 再び一直線の非常に走りやすい道を5分弱走れば、古河の中心地に着く。 古河の街には宿場町の面影は無かった。良い意味で、21世紀のきれいな住みやすそうな街だった。 それでも千住や粕壁などといった宿場町と同様、宿場町をアピールした街づくりをしているようだった。 古河市のマスコットキャラクターらしき「桃花」という女の子が描かれた幟が、道の両側にたくさんあった。 既に時刻は14時過ぎ。宇都宮までまだ50km弱あるので、先を急ぐことにした。 古河の街を眺めつつ、早くも次の宿場を目指す。 ……気が付いたら、栃木県に突入していた。県境の看板は旧日光・奥州街道にはなかったように思う。少なくとも自分は気付かなかった。 |
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