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02 草加宿〜03 越ヶ谷宿   埼玉県草加市〜埼玉県越谷市

 日光・奥州街道は、埼玉に入るとまず草加市(そうか)を通る。

 草加といえば、多くの人が「草加煎餅」を思い浮かべるだろう。 この草加煎餅が、全国の煎餅の原点という説がある。 米を団子状にして乾燥させ、保存食にしていたものを、江戸時代に草加宿で販売したのが草加煎餅の始まりと言われている。

 街道沿いには数軒の煎餅を売っている店があった。店の前には、草加煎餅の幟も見受けられた。 その中の一軒に立ち寄る。

 箱に入った贈り物用の煎餅もたくさんあったが、バラで売られている煎餅ももちろんある。 一枚100円ほどの、基本の手焼堅焼煎餅を購入した。早速食べてみる。

 一口目、前歯でガリッと丸い煎餅を欠いたときの食感には驚いた。 そして、噛めば噛むほど醤油の香りが口いっぱいに広がる。 先ほどの千住の団子とは全く別のジャンルの菓子だが、これも自分の好みの味だった。 最後の一口まで、丁寧に味わいつつ食した。 ただ、塩っ辛いものを食べるときは自然とお茶が欲しくなった。 持っていた飲料水は緑茶ではなかったので、緑茶をあらかじめ準備しておくべきだったかもしれない。

 草加煎餅という名物は押さえたが、ここ草加にはもう1つ見所がある。それは、日本の道百選にも選ばれている「草加松原」だ。

 草加松原は、綾瀬川沿いの日光・奥州街道にある1.5kmほどの松並木の道。 現在はその道は遊歩道になっており、自転車も通ることができる。そこを目指す。

 煎餅屋から1kmほど先の草加駅前周辺が、当時宿場があった場所だった。 現在は東京のベッドタウンと化している草加市。当時のものはあまり残っていないだろう。 そこで、始めから草加松原を優先させ、旧道には逸れず新道を通った。

 お目当ての場所に到着。想像以上に松がたくさんあった。

 道は相当手入れされており、草加市民の愛情がたっぷりと詰められている道だった。 犬の散歩・あるいはジョギングに勤しんでいる方々も多かった。

 途中に2つほどかかっている太鼓型の歩道橋も、趣が良い。 昭和と平成になって作られたものらしいが、そうとは思えないほど周囲の景色と調和している。

 1つ欠点を言わせてもらうと、道はアスファルトで舗装されている訳ではないので、凸凹があり自転車には理想の道という訳ではなかった。 だが、松並木と綾瀬川の景色は最高。日光・奥州街道の歩きの人ならここはオアシスだろう。

 癒しの草加松原を終え、再び車道の端を走る。次は日光・奥州街道3つ目の宿場、越ヶ谷宿だ。


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