43 四日市宿〜42 桑名宿 三重県四日市市〜三重県桑名市
四日市市は三重県の県庁所在地の津市より人口が多い、三重県下最大の人口を有する都市である。 交通の便が良いことから、名古屋市への通勤・通学者も多い一方、 三重県北部の中心都市でもあり、近隣の町から四日市市へ通勤・通学する人も多い (三重出身の大学の友人からの情報)。 四日市市街地に入っても、しばらく1車線が続く。 さすがに市役所の近くは2車線や3車線になっていたが、あまりこの辺りは自転車では走りにくい。 まあ、車優先の現代、仕方ないことではあるが。 市役所を過ぎたあたりで、右に曲がって江戸時代の四日市宿の痕跡を探す。 そして、しばらくうろうどしていると、四日市市立中部西小学校の校門の前に四日市代官所跡を示す碑が。 四日市の教育委員会か何かが建立したのだろう。平成13年建立と、まだ碑ができてからはそんなに経っていない。 そして、ここ四日市に来たからには、欠かすことのできない食べ物がある。 四日市といえばトンテキ(分厚い豚肉のステーキ)が有名であるが、これが地元の店に出始めたのは戦後。 ここで食べるべきものは、江戸時代にもあった名菓、「なが餅」だ。 なが餅とは、粒餡を餅で包んで、薄く細長く伸ばして火で炙った、450年続く餅菓子。 時間的にもちょうど良い、10時のおやつの時間だ。 案の定、なが餅を売っている老舗「笹井屋」がなかなか見つからないので、 ゴミ出しをしていたオバチャンに道を聞く。すると、さっきの道をそのまま進めば良いことが分かった。 さっきまで雨が小降りだったのに、今は雨音が聞こえるくらい雨が強くなってきている。 急いで元来た道へ戻って住宅街を進むと、「名物 なが餅」というかなり古い看板が。 店の前にはクリーム色の猫が雨宿りをしていた。 店の中に入り、早速竹皮柄の包装紙に包まれた7個入りのなが餅を購入。 中では食べる場所がなかったので、なるべく邪魔にならないように店の外に止めてある自転車の隣で、 先ほど庄野でおばあちゃんに貰った麦茶と共に頂くことにしよう。 ビヨーンと餅が伸び、噛み切ることはなかなか難しい。なが餅の味は昨日の草津のうばがもちと同じで、甘さは控えめだ。 第三者から見ると、「コイツ餅ばっかり食ってるやん」とツッコまれそうである。 激しい雨になってしまった。ただ、スマホのアプリの雨雲レーダーを調べると、 今の雨が降っている雲が流れてしまえば、もう今日は雨は降ることはなさそうだ。 ただ、いくら雨が涼しくしてくれると言っても、雨は雨。 ここまで30kmほどしか走ってないのに、体力の消耗が激しい。 ここで、名古屋に住む小中高と学校が一緒だった友人からLINEでメッセージが送られていることに気付く。 そういえば、今日名古屋に立ち寄るかもしれないと連絡しておいたのだった。 せっかくの機会だし、久々に会いに行こう。今は10時過ぎ。名古屋まであと45km、 そこから彼の家までは10kmほど。あと2つ宿場町巡りをしつつ進み、さらに昼食も食べるとなると、 14時過ぎに到着するのではないか。とりあえずそう連絡しておく。 雨が収まってきたので、四日市を出発する。市街地を出て2つ川を渡った辺りから、国道1号線はまた1車線となる。 だが近くに名四国道、国道23号があるので名古屋方面へ向かう大型車はそっちを通るからであろう、 走行環境はさっきよりマシだ。雨も完全に止んだ。周りには店が立ち並ぶ。この辺りの主要幹線だと言える。 ただ逆に言えば、たいして景色が変わらない、単調な道だ。集中力が切れやすい、事故が起こりやすい道。気をつけねばならない。 川越町・朝日町という2つの小さな町を通り過ぎる頃には、晴れ間が見えてきた。そんなテンションが上がっている状態で、桑名市へ入る。 |
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