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33 二川宿〜32 白須賀宿    愛知県豊橋市〜静岡県湖西市

 二川駅に到着。駅前に、このあたりにあった二川宿の紹介文の大きな看板が設置されている。 「現在も、本陣をはじめとして、江戸時代の宿場町としての景観を残しています」とある。 この看板と文章は、書いてある通り二川宿本陣資料館作のようだ。

 その資料館は、もう少し旧道を走ったところにある。そこには立派に堂々と本陣が復元されていた (本陣の裏に資料館がある)。一昨日うばがもちを食べた草津宿の本陣と、ここ二川の本陣しか 現在東海道には本陣の遺構がない。外側から見える葵の御紋付きの表門からでも十分迫力が感じられるが、 中はもっとすごいことになっているに違いない。ただ、今日はまだ開館の9時半にはもう少し時間があるので やむを得ず見学なしで進むことにした。

 二川宿付近の旧道を走っていると、街全体でここは「二川宿」だったことを知らせる感じになっている。 看板も至る所にあり、「東海道二川宿」というプレートもたくさん存在している。 その中で、生活を送っている住人がいる。観光地にはなっていないが、 その分現代とうまくマッチングしているといえる。

 そのままずーっと行くと、畑に入って、道が行き止まりになってしまった。 仕方がないので戻って、そこで畑仕事をしているオジサンに道をたずねる。

 「すいません、旧東海道はどっちですか?」
 「線路の所まで戻って、線路を渡ればそこが旧東海道やで」

 確かにそこには旧東海道を示す通りの名を示す標識があった。 ただ、迷うかもしれない道だったので、ここは左の旧東海道へあえて行かず、 右に曲がってしばらく行ったところにある県道から確実に進んだほうが良さそうだと、 地図を見つつ判断した。ただ実際は、左に曲がるとすぐに国道1号にぶつかり、 しかもその国道1号が旧東海道としばらく一緒の道だというのを後ほど知る。ここは道の選択を失敗した。

 そうして住宅街を抜けて、やや大きな道、県道3号に入る。 この道は走りやすい。そして、県境ギリギリのところで右に曲がって、 まだ静岡県に入らないようにしつつ、別の県道を走って次の白須賀宿を目指す。

 大分気温が上がって暑くなってきた中、両側に工場があるところを進んで東海道新幹線の高架をくぐり、 住宅街を抜けると国道1号に戻ってきた。

 ただ、確かにこのまま進めばあと1kmもせずに県境に至るが、 本当にそこを境に国道1号はバイパスに入るため自転車走行不可になってしまう。前回の旅での経験である。

 そのためせっかく国道1号という迷わない道路に出たばっかりだが、県境直前で左に曲がる。 そしてそこで県境をようやく越えた。三河国から遠江国、愛知県から静岡県へ入った。

 すぐに旧東海道はこちら、と親切に看板が教えてくれるので、 そこを進む。間もなく白須賀宿の案内板と、「夢舞台東海道」というすごいネーミングセンスの、 前の宿場町から何キロ、次の宿場町まで何キロという親切な看板達に出会う。 住宅街だが、ちょうど良い道幅の道がずーっと続いている様子が、いかにも旧道らしい。


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