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27 袋井宿〜26 掛川宿    静岡県袋井市〜静岡県掛川市

 袋井宿は京からも江戸からも数えて27番目、ちょうど五十三次の真ん中にあった宿場町だった。 現在も「東海道どまん中」を唱えて、街づくりをしている。

 通りがかった袋井西小学校にも、「東海道どまん中西小学校」と校門のところに 別名の表札がかけられていた。それからすぐ、西の端の「従是袋井宿」の道標。 それから宿場公園もある。そこには丁寧な袋井宿の紹介看板があった。 いたるところに、どまん中袋井宿のキャッチフレーズが見て取れる。

 すぐに無料休憩所の東海道どまん中茶屋に到着した。 外見は時代劇に良く出てきそうな茶屋である。 白須賀の休憩所は開いていなかったが、ここは無事に開いていた。 そこに立ち寄ると、中には地元のおじいさん2人がいた。

 京都から東京へ自転車で旅していることを話すと、喜んでお茶と地元の資料を下さった。暖かいお茶がうまい。

 それから、ここから20kmほど先にある、日坂宿から金谷宿までの峠の情報をもらう。
 「自転車だったら県道を行くのがいいぞ。敢えて山の中の旧道を通って行ってもいいけど、 斜度がかなりキツくて、そこだと押して歩くことも難しいかもな、ハハハ」
 「でも鈴鹿峠を越えてきましたし、これから行く箱根峠よりはマシでしょう」
 「いやいや、そんなことはない。短いけど県道でも傾斜は鈴鹿や箱根より険しいぞ」

 実は日坂宿と金谷宿の間の「小夜(さよ)の中山」は 鈴鹿峠や箱根峠と並んで、東海道の三大難所として知られているとのこと。おいおいマジか、ちょっとそこはノーマークだった。 いくら峠の標高が他の2つに比べて低くとも、150km近く走って峠とはかなりの試練と言ってもいいかもしれない。 まあ確かに江戸時代はそこの先の大井川のほうが問題だったので、体力でなんとかなるとは有り難いことなのだが。

 それからこの近くの道のことも教えて下さった。
 「どうせなら旧東海道を通って行きたいだろう。目の前の信号を左に曲がって、 2本目を右に曲がるといい。そこが旧東海道だ。ずっと行くと大きな通りに出るけど、 そっちへは出ずにとにかく道なりに進めば、きれいな松並木の通りに出る。旧東海道の景色を楽しんでいってくれ」

 おじいさんに写真を撮ってもらって、お礼を言って出発する。 せっかくだし言われた通りの道で行ってみよう。地元の人の情報で、旅はもっと楽しいものになる。

 確かに、右に曲がる道の曲がり角には旧東海道の案内板の「夢舞台東海道」があったが、 本当にこの道が正しいものなのかが心配になるほど細い道を進んだ。 だが、言われた通りに進むと今までよく通ってきた旧東海道の道っぽい幅の道路に出た。 松が点々と現存しているので、間違いではないだろう。 両側に松並木が続いている所もあって、近くの水田や工場の移り変わる景色の中を走るのは何とも気持ちが良い。 国道1号を走っている時には絶対味わえない雰囲気だ。 もちろん住宅街になっている所もあるが、それでも一軒家で、時々古い建物も見受けられる。

 袋井西小学校と同じように、袋井東小学校の校門にもやっぱり「東海道五十三次どまん中東小学校」という別名が。 その先にもう一か所道の両側に松並木が続いている所がある。太陽が出ていて気温は暑いが、木陰の中は幾分涼しい。

 川を渡れば掛川市に入る。その先にも両側松並木の道。水田の中を通っているその道は、 クラシック音楽が頭の中に流れてくるほど理想に近い,気持ちが良いサイクリングコースだ。


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