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41 台ケ原宿〜40 韮崎宿 後半  山梨県北杜市(旧白州町)〜山梨県韮崎市

 街道自転車旅、5日目起床。この日の天気は、快晴といっていいほどの晴れ。

 本来の今日の予定である、東京の八王子までここから120km。しかも、笹子峠・上野原の山集落・大垂水峠という三大難所を控えている。 昨日の足の調子を考えると、とてもそこまで走ることはできそうもない。

 そこで、この120kmを石和宿で二分割することにした。こうすれば、おそらく少しは楽だろう。 明日になって今日より足の調子も良くなれば、なんとかなるかもしれない。

 という訳で、今日はここから石和宿(山梨県笛吹市)までのわずか40kmだけを走ることにした。 少し寄り道をする予定だが、それでも良いところ50kmだろう。 峠もないので、出発は遅くても良い。昼近くまで、ゆっくりすることに。

 爽やかで気持ちが良いので、近くを散策することにした。昨夜来たときは真っ暗で、絶景が周りに広がっていることに気づかなかった。

 南には富士山、西には甲斐駒ヶ岳、そして北には八ヶ岳。ここは最高のロケーション。

 もちろん富士山は、宝永火口が見られない山梨側の富士山。静岡県民としては、新鮮な眺めだった。

 雄大な自然をたっぷり満喫してから、一泊したカフェに戻る。おや、人が増えている。どうやらここに遊びに来た方々のようだ。

 そういえば、今日はまだ何も口にしていないことに気付く。 朝御飯として、ここの10時開店のカフェの「特製ベジタブルカレー」を注文する。 出来るまでの間、ここに遊びに来ていた方々と色々な話をしたり、彼らが連れてきた犬と戯れたりした。

 お待ちかねのものが登場。古代米・キビ入りごはん、そして豆と季節の野菜と揚げ野菜のカレー。 揚げ野菜がカレーにここまで合うとは思わなかった。久しぶりに心から美味しいと思えるカレーに出会えた。

 のんびりとした時が流れる空間。いつまでもここにいたい気分なのだが、残念ながらそうする訳にもいかない。正午出発に心を決めた。

 出発準備完了。オーナーの奥さん、そして昨日一緒に泊まったお二人、それから遊びに来た方々に丁寧にお礼を言う。 名残惜しいが、「カフェ チームシェルパ」を発つ。

 とりあえず南下し、韮崎の街を目指す。気温もそこまで低くなく、割とポカポカしている。景色は最高で、しかもずっと下り坂。 これ以上ない最高のサイクリングコンディション。心の底からこの環境を味わう。

 国道141号に出ても、下りは続く。この道には清里ラインという別名がついているが、江戸時代には佐久甲州街道と呼ばれていた道。 佐久甲州街道は、中山道の岩村田宿と甲州街道の韮崎宿を結んでいた。 現在では別名の通り、関東ではリゾート地として有名な清里高原や野辺山高原を通るので観光道路としての性格が強い。

 中央自動車道の須玉インターを過ぎれば韮崎市に入る。その先には道の駅「にらさき」があるので、そこで少し休憩することにした。

 道の駅では、何が売られているのかを軽く“物色”する。 それから、大学のとある友人にLINEで連絡を入れる(詳しい目的は、韮崎宿を過ぎた辺りで明らかに)。

 道の駅を出発して間もなく、街の雰囲気が少しずつ出てきた。 韮崎市街地まで、結局16kmほどかけて300mほど下ってきたことになる。本来の目的である、甲州街道自転車旅に少しずつ気分を戻す。


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