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39 甲府柳町宿〜38 石和宿 山梨県甲府市〜山梨県笛吹市(旧石和町)

 甲府には、柳町(現在の甲府市中央)に宿場があった。この辺りは、城下町甲府の中心地だった。 現在でも裁判所などがあり、甲府の中心地になっている。

 その柳町より少しだけ西にある、甲府市役所の前までやって来た。この道をまっすぐ行けば最終目標の甲府駅。 だが、甲府市役所の前ということで、自分のいる位置ははっきりと分かる。 位置を把握する為に甲府駅に行くという必要がなくなってしまった。 さよなら、最終目標。

 代わりに、甲府城(舞鶴城)に行くことにした。甲府の中心地を抜けて、甲府城の南側に出た。

 展示施設への入館は17時までだったので、展示施設は既に閉まっていた。公園として自由に散策できる場所のみ、少しだけ見学していく。

 目を引いたのは、背の高い石塔。「謝恩塔」というもので、大正時代に建てられたらしい。後で少し調べてみると、次のような内容であった。

 殖産興業の政策で山林が荒廃したせいで、明治末期に甲府は大規模な水害を2度も経験してしまう。 そのタイミングで、皇室は、自分の所有の土地を山梨県に無償で譲渡した。 その記念に(感謝の意を表する目的で)、ここに石塔を建てたという。

 一通り見ることが出来たので、甲府宿を見たことした。……と思ったのだが、一つ気がかりなことが。 それは、先ほどさよならした甲府駅。駅の前には武田信玄の像がある。 甲府に来たのに武田信玄にゆかりのある場所には時間の関係で行けそうにないので、せめて銅像を見ておきたいと思ったのだ。 という訳で、一度は見捨てた甲府駅を救済する。駅前へ向かう。

 来た道を少し戻り、甲府駅南口へ。武田信玄が睨みを利かせていた。 この日は三連休の2日目で、観光客もそこそこいた。

 今度こそ悔いはない。今日の目的地、石和温泉に行くために東へ行く。 国道411号はすぐに旧甲州街道と一致するので、その道を選択。

 身延線、善光寺駅前を通過。この駅から北へ500mほど行ったところにある甲斐善光寺も、武田信玄が造立したものだ。 甲府の街はやはり風林火山の武田信玄なしには語れない。

 暗くなってきたが、整備された大通りを進んでいるので、快適なサイクリングを楽しめている。甲府市を出れば、石和温泉のある笛吹市に入る。


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