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21 犬目宿〜20 野田尻宿   山梨県上野原市

 犬目宿の手前に、ここから4つ先の上野原宿までの地図があった。間違いなく旧甲州街道を走っているようで、安心した。

 猿橋・鳥沢・犬目の三宿場は桃太郎伝説が残っている地。桃太郎といえば普通は岡山だが、ここ山梨にも桃太郎の話がある。 イヌ・サル・キジそ、それぞれの名にちなんだ集落(宿場)で仲間にした、というものだ。

 ちなみに百蔵山という大月市の山から流れてきた桃から桃太郎が生まれ、一方鬼が島は、大月市と都留市の境界にある九鬼山だと伝えられているらしい。

 そんな犬目宿だが、昭和の大火のせいで古い建物は残っていない。 しかし街道沿いには犬目宿の立派な石碑があり、傍には犬目宿直売所という野菜を売る建物があった。 ただし、日曜日だからか開いていなかったのは残念。

 犬目の集落を過ぎれば、下りが続いた。 本当はこの先に、犬目峠という葛飾北斎の浮世絵にもなった場所があったらしいのだが、峠らしき場所はなかったので犬目峠の場所は分からなかった。 浮世絵の場所が元々違ったのか、それとも甲州街道のルートが変わったのか……?

 上から、中央自動車道の談合坂サービスエリアが見える。旧街道から、現代の大動脈を見るのもまた一興。

 途中、高速道路に架かる橋を渡るのか、それとも沿った道を進むのか迷った。 案内板などもないので、地図とにらめっこして検討。しかし広範囲の地図なので分かりにくい。 近くにかわいいお孫さんと思しき子どもと遊んでいるおばあさんがいたので、野田尻の集落はどちらかを聞いてみる。 すると、ここは渡るのが正解だということを教えて下さった。予想は当たっていたが、確証が得られて良かった。

 快適な道を走っていると、20番目の一里塚である荻野一里塚の跡があった。上野原市による説明板によると、山梨県では3番目だという。 その一里塚からしばらくすれば、今度は高速道路の下をくぐる。ここまで来れば、野田尻宿は目の前だ。


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