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22 下鳥沢宿〜21 犬目宿   山梨県大月市〜山梨県上野原市

 21番目の一里塚が、前述のこの鳥沢の一里塚。現在では簡単な木片があるだけだった。 その先の下鳥沢の宿場跡は木造の家がそこそこあり、なんとなく旧街道沿いという雰囲気。

 ここから先、犬目・野田尻・鶴川の3宿場は山の中にある。そこへ至る道、山梨県道30号にルートを変える。 国道20号とは、上野原までのしばしの別れ。犬目の集落まで4kmほどだが、200m以上の上りが続く。 というわけで、本日2番目の試練スタート。始めは斜度12%という鬼畜な斜面なので、無理せず押していくことにした。

 犬目の次の野田尻まで8km、そして旧甲州街道経由なら上野原まで16km。国道20号経由より4kmほど長いことになる。 距離では大した違いがない。しかし、観光も適度にしつつハイペースで進んできた中山道と甲州街道。 いつもの調子で上りたいと思っても、体は言うことを聞かない。

 中央自動車道の下をくぐり、集落の中を進む。斜面が比較的緩やかな所は乗って進むが、苦しくなるとすぐに押す。 こんな道だが重要な生活道路らしく、結構頻繁に車やバイクが道を通っていた。さすがに自転車の人は見かけなかったが。

 今はあれこれ考えても仕方ないので、前に進めばいつかは辿り着くということだけを考えて進むのみ。 こんな中、心の支えになったのは、残しておいた行動食の笹子餅。この和菓子で何度か救われた。 街道沿いには、餅が名物になる理由を身を持って感じた。

 時期的に春は近いのだろうが、木々には葉っぱがまだほとんどなかった。 一方針葉樹はというと、スギやヒノキが花粉を蓄えていた。 だが幸いなことに、花粉はそんなに飛んでいないようだ。 花粉症持ちの自分だが、クシャミはほとんど出なかった。

 上野原市に入る。新笹子トンネルからずっと大月市にお世話になってきたが、それもここまで。 考えてみると、甲州街道全45宿のうち、大月市には12の宿場があったことになる(「32次」で考えたら7次)。 いかに宿場間が近かったかが、よく分かる。

 どうやら峠に来たらしい。ここから上野原までは下り坂。たった4kmなのに、休み休み進んだせいで30分以上もかかってしまった。 普通ならこの半分以下の時間で済むのだが……でもまだ14時半なので、時間的には十分余裕がある。


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