次の小原宿と合宿で、片継ぎ制だった与瀬宿。甲府・下諏訪・京都方面から江戸方面に向かう場合のみに使われた宿場だった。 つまり、吉野宿から来て与瀬宿を出た旅人は、次の小原宿は“通過”して、小仏峠の東側の小仏・駒木野合宿に継がれた。 一方小仏峠方面から来た旅人は、与瀬宿はスルーした。

　与瀬宿の本陣跡には、毎度おなじみ明治天皇関連の石碑と立派な松が植わっていた。 一瞬「与瀬」の漢字が違うなーと思ったが、すぐに「與」が「与」の旧字体ということに気付いた。

　相模湖駅の先の案内標識には、今日泊まる八王子市高尾まで14kmとあった。 時刻は17時なので、峠越えがあっても日没前までには街の中に出られるだろう。 その前に、神奈川県最後の宿場の小原宿が待っている （自分のような江戸に向かう旅人なら、当時ならここ与瀬宿が実質最後だったが）。