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10 日野宿〜09 府中宿   東京都日野市〜東京都府中市

 日野駅の先の日野図書館の所に、問屋場(馬の手配・荷物の受け継ぎ場所)と高札場(幕府の御触れの掲示場所)の跡を示す石碑があった。 そばには日野の地図があったので、どこに何があるのかをチェックする。

 ここ日野には、現在でも本陣が残っている。東京都内では唯一の現存本陣だ。本陣や脇本陣の見学は中山道の鵜沼以来なので、ぜひ見学をしていきたい。 その本陣は道の反対側にあるが、メインの門は閉まっていた。どこかに別の扉があるはずなので、探す。

 工事中の道もあり、思うように探せなかった。結局分からなかったので、ベンチで日向ぼっこをしている地元のオジサンに聞く。

 「あそこにあるけど、月曜日は休館日なんだよねー」

 なんと、先ほどのメインの門が今でも敷地内への入口。休館日で閉まっていただけだった。何たる勘違い。 どうしてタイミングがこうも合わないのだろうか。

 「明日また来ればやってるよー」とオジサンは言う。確かにそうしたいのだが、時間的にも体力的にも難しいので、今回は日野宿本陣見学を諦める。 一応写真を撮るために、閉まっている門の前には行ってみた。確かに「本日は休館日です」とあった。

 やり残したことが多いが、致し方ないので次の府中を目指す。 多摩都市モノレールの「甲州街道駅」方面へ。その先の多摩川は、日野橋を通る。当時は「日野の渡し」があったという。

 川を渡った後は、旧甲州街道は都道254号にあたる。この道は走りづらかった。 先に中央自動車道の国立府中インターがあり、そこへ向かうトラックが多かったのだ。 それなのに車道は狭く、とても自転車が走れるスペースなどほとんどなかった。 だからと言って歩道を歩いている人も多く、そちらを進むわけにはいかない。 自動車のペースに合わせて車道を進むしかない。

 途中にあった神社は「谷保天満宮」。延喜3年(903年)に建てられた、1000年以上の歴史がある神社だ。 もしこの時に、ここが交通安全発祥の地ということを知っていれば、自転車旅をしている者として必ず立ち寄っただろう。 事前情報収集不足で、せっかくの機会を逃してしまった。今となっては後悔の種の1つ。

 府中市に入る。府中の名は、かつて武蔵国府中が置かれていたことに由来する。 ちなみに日本の地方自治体では同様に、広島県に府中市と府中町がある(備後国府中と安芸国府中)。 また、東海道の府中宿も同じだ(駿府=駿河国府中 現在の静岡市)。


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