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09 府中宿〜08 上石原宿   東京都府中市〜東京都調布市

 武蔵の府中宿は、甲州街道以外にも複数の街道が、色々な方向へ伸びていた交通の要衝だった。 現在の府中市は東京都心へのベッドタウンになっている他、ここ府中に大規模な施設を置いている企業も多い。 そのため意外にも、住居と職場が近い人が多いという。

 府中市役所の前に、府中宿の高札場が復元されていた。 赤い建造物が、周囲の白や茶色のビル街の中で目立っている。

 せっかくなので府中の中心的存在、大国魂神社(おおくにたまじんじゃ)へ参拝することにした。 その前に、観光案内所に行ってパンフレットをもらう。

 大国魂神社は1900年以上の歴史がある神社。源頼朝などの歴史上の人物にまつわるエピソードも多い。 平日の午前中だというのに、そこそこ人がいた。自転車を押して参道を進む。 

 神社のごく近くには、1200年以上前の奈良時代に武蔵国府が置かれ、政務を執る施設が置かれた。 参道の中ほどの右手(西側)に、それがあったことを示す石碑があった。

 邪魔にならない、そして盗られにくい所に自転車を置かせてもらって、最後まで無事に旅が続けられるように祈った。

 それからここで、シール式の交通安全お守りを手に入れた。 この時点で、自転車には京都の鞍馬寺と兵庫淡路島の伊弉諾神宮のシールのお守りを貼っていた。 3つ目のお守りを早速フレームに張りつけた。

 帰り際、「どこから来たの?」という質問を地元の方から受けた。 まあこれだけの荷物を積んでいるのなら、疑問に思われるのも当然だろう。 質問に答えると、「京都の人がここ武蔵府中の大国魂神社を知っているのか?」と質問が続く。 もちろん答えは「No」だ。少なくとも下調べがなければ耳にしたことがなかった。 一人旅を楽しむには、下調べは欠かせない(少なくとも自分の場合は)。

 武蔵府中の観光は満足にできたので、隣の調布市を目指す。 この区間は旧甲州街道が続いているので、旧道を通る。

 京王線の電車が通過するのを待つ。これ以外にも様々な鉄道が入り乱れている東京。 JRだけでもたくさん路線があるのに、それに加えてたくさんの私鉄がある。 どれがどの路線なのか、迷わないのだろうか。
(自分も上洛した時に関西の鉄道に混乱しましたが、しばらく生活すれば自然と覚えられました。同様に上京した人も、自然と覚えていくものなのでしょうか?)

 気が付いたら、調府市入りしていた。現在の調布市の中では、5つの宿場が合宿で6日ごと宿場を運営していた。 これら五宿、上・下石原宿と上・下布田宿と国領宿を合わせて「布田五宿」という。


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