04 国領宿〜03 上高井戸宿 東京都調布市〜東京都杉並区
国領神社という名は、明治になってからの名。旧国領村の村社になり、国領の鎮守として崇められていた。 そして、ここには樹齢数百年のフジの木がある。 桜の時期から少し経った頃に、開花し木々は紫色に染まる。 だが開花時期の4月下旬までまだ一ヶ月もあり、フジの木はまだ葉もなく、花も固い蕾の状態だった。 一通りの参拝を終えた。これで6日交代の甲州街道の合宿、布田五宿は一応 “形式的に” すべて回ったことになる。 残る宿場は上下の高井戸宿と、現在の新宿に当たる内藤新宿のみ。 このまま高井戸や新宿へ向かってもよいのだが、昼時ということもあり、せっかくなのでここで寄り道をすることにした。 目的地は、蕎麦処で知られる深大寺。 ダルマで有名な(有名らしい)深大寺。 近くでは湧水が沸いており、それを利用してソバの栽培・水車での製粉が盛んになり「深大寺そば」が生まれた。 現在では調布で一番の観光名所とも称されている。 国領神社から自転車で10分ほど北に進めば、深大寺に到着。最後少しだけ上り坂だった。 駐車場はたくさんあったが、駐輪場らしき場所は見つからなかった。 変な所に置いて盗られたら旅が続けられなくなるので、やむを得ず押していくことにした。 席に空きがある店をすぐ見つけられたので、自転車を邪魔にならない場所に置いてから、店に入って山菜蕎麦を注文する。 屋外のオープン席の雰囲気がまた何ともよい。 お待ちかねのものが登場。この醤油味の、関東の蕎麦は久しぶりだ。 関西のダシ文化にしばらくいたので始めは少し濃く感じたが、すぐに慣れた。 香りが良く、それにつられてどんどん口に運んでしまう。お腹がペコペコだったこともあり、完食まであっという間だった。 欲を言えば、蕎麦の量がこの3倍くらいあってもよかったのだが。 その後店が連なる通りを一回りする。平日だというのに、そこそこ人がいた。これが休日だと、もっと多いのだろう。 なんとなく、嵐山や清水の二年・三年坂と似た賑わいを見せていた。 通りがかり、ついついおいしそうな香りにつられて饅頭を買ってしまった。お茶と非常によく合うちょうど良い甘さだった。 ポカポカした陽気の日で、旅の至福の時だった。 満足したところで、寄り道は終了。本来の目的である、甲州街道自転車旅に戻る。 国道20号の戻る途中、突然クシャミが止まらなくなってしまった。 昨日までは全く問題なかったのだが、東京に入ってから花粉症の症状が出始めたのだ。 目もますます痒くなっており、このままだとひどくなる一方だ。 仕方がないので持っていた、花粉症の薬を飲み目薬をつけた。 この時期のサイクリングは、場所によっては対策をあまりしないと大変なことになる (個人的には、関西より関東のほうが症状が出やすい)。 国領神社まで戻ってきた。ここからは、新道の国道20号を進むことにした。 高井戸まで5km、新宿まで13km。 国道20号は片側2車線で、それでいて案外交通量は多くなかったので自転車も走りやすい道だった。 街路樹も続いていて、気分が良い。 東京23区に入っても、しばらくその良い状況は続いた。 |
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