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51 太田宿〜50 伏見宿   岐阜県美濃加茂市〜岐阜県御嵩町

 先ほどの鵜沼宿と同じように、国道を外れY字の交差点を入っていく。 旧道に入っても途中で左に曲がらなければならず、一瞬道を間違えたかと思ったが今回は正しかった。

 「太田」という地名はJRの駅(美濃太田駅)に残っているが、 当時の太田町は昭和の大合併で、周辺の加茂郡の町村と合併して「美濃加茂市」になった。 そのまま現在に至る。

 旧宿場町の真ん中ほどにある、「太田宿中山道会館」に立ち寄る。なんだか双眼鏡やカメラを持った人たちがたくさんいた。 話を聞くと、ここの大きな木に珍しい鳥が巣を作っているそうだ。

 中に入る。何か行動食になりそうなもの、あるいは土産になりそうなものを探したが、 あいにく気に入ったものは売っていなかった。車で来ているバードウォッチングの人達がたくさんいたので、 もう売り切れたのかもしれない。

 それから展示を少しだけだが見てきた。 展示室は薄暗くなっており、当時の街が再現されていて良い雰囲気が出ていた。

 昼時だったので、ここで昼食をとることに。やどりぎという食事処に入る。 入った時はまだそんなに混んでいなかったので、注文してから料理が来るまでにそんなに時間はかからなかった。

 料理の方は薄味で、前日から牛丼屋とコンビニで済ませていた身にとっては新鮮で美味しく頂いた。 自転車旅はエネルギーを使うので、欲を言えばもっと御飯が多いほうがよかったが。あと3・4杯はいけただろう。

 昼食を終えて外に出て出発準備をしていると、ここで野菜を売っているオバサン方から声をかけられる。 いつものように、どこから来てどこへ行くのかという質問だ。こちらもお決まりのフレーズを返す。

 「長旅一人で、寂しくないのかい? 」

 会話の中で、こんな質問が出た。残念ながらサークルの仲間は、こんなマニアックなことをやろうと言っても多分だれも乗らないだろうし、また一人旅もそれはそれで良いものですよ。 好きな所に好きなペースで立ち寄ることができ、自由が効く。 気分はRPGの主人公だ(ドラクエやポケモンなど好きなものを思い浮かべてください)。 もちろん仲間でワイワイ行く旅も楽しいのは言うまでもないが。

 太田宿を出発。この先には、中山道三大難所の一つ「太田の渡し」があった。 木曽川を舟で渡るこの渡しは、昭和2年(1927年)まであった。なお江戸側からの渡しは「今切の渡し」と名前を変える。 最も現在は、ただ単に橋を渡ればよいだけなのだが。

 橋の手前に到着。国道21号はここで右に曲がり、橋を越えて多治見方面に向かう。 ちなみにもしここを直進すれば、下呂・飛騨高山経由で富山へ通じる国道42号に入る。 案内板によれば、高山まで120km。富山まで208kmだ。

 自転車乗りで高山と言えば、恐らく乗鞍スカイラインを誰しも思い浮かべるだろう。 乗鞍スカイラインは飛騨高山と信州松本を結ぶ道路の一つで、自転車で登ることができる標高日本一の道路だ(最高地点は標高2702m)。 ただ行ってみたいかと問われれば、峠越えはあまり好きではないので自分なら迷う。 それより街道ファンなら、乗鞍スカイラインより少し南の道、野麦街道を思い浮かべるのかもしれないが。

 話を元に戻す。新太田橋を渡り、左折して引き続き国道21号を進む。 道路の舗装状況は問題なく、スピードがそこそこ出せるが、車通りが激しい。

 ただ大抵の車は、その先の可児御嵩バイパスを通る バイパスの入り口を過ぎれば、元からの国道はたいして車は少なくなった。 ここまでくれば、次の宿場、伏見宿はもうすぐだ。


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