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42 妻籠宿〜41 三留野宿    長野県南木曽町

 妻籠の宿場の入り口に辿り着いた。右折して間もなく、木造の建物がいくつも見えてきた。 途中で案内図を見つけたので、どこに何があるのかを確認しておく。

 御存じの方も多いと思うが、ここ妻籠は現在に残る宿場の代表的な存在。重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)として街全体が文化財に指定されている。 鉄道や国道からルートが外れていて、開発を逃れた(悪い言い方をすれば開発から遅れた)のだ。 そのデメリットを逆手に取り、現在は観光地として名高い。

 なお他に宿場町で重伝建として指定されているのは、 関宿(三重県:東海道)・奈良井宿(長野県:中山道)・大内宿(福島県:会津西街道)・熊川宿(福井県:若狭街道))・福住(ふくすみ)宿(兵庫県:篠山街道)・佐々並市(山口県:萩往還)の6つ。 散策はもちろん、サイクリングにも気持ちが良い街並みのところばかりだろう。

 手が冷たく寒くて仕方がないので、朝から開いている食事処を探す。 通りがかりに見つけた、「湯屋」という店に入る。

 食事にはまだ早すぎたので、温かいコーヒーを注文した。待っている間、ストーブで体を温める。

 コーヒーを飲みつつ、外を眺める。 3月の寒い雨の朝、観光客は数人しかいなかった。それとも寒い中でも観光客が0ではなかったことに驚いたほうが良いか。

 温まったところで湯屋を出て、妻籠の宿場を探索しつつ進む。階段になっている所があったので、そのような場所は自転車をかつぐ。 歩きの人にとっては何てことないのだろうが。

 復元された妻籠の本陣が右手にあった。資料館としての機能も果たしているようだ。 今日はどこまで行けるか分からないので、今回は外から眺めるだけで通過する。

 1kmほど続いた宿場の端に来た。振り返ってみると、電柱がないという事実に気付く。自動販売機なども思い返す限りなかった。 いかに街並みの保存に力が入っているかが分かる。

 さすがに今日は観光には向いていなかった。またいつかぜひ来よう。 今度来るときは、ちょうど良い気候の時、そして晴れている時に来たい。

 旧道から逸れて、再び国道へ。突き当りを右に曲がり、木曽国道と揶揄される国道19号に戻ってきた。

 後で調べると、旧道をずっと行くと何か所か自転車をかつがなければいけない場所があったようだ。 前日うとう峠で苦労しているので、旧道を辿ることはやめる。とは言っても、この木曽の区間は、そこそこ国道が旧道と一致している。

 すぐに南木曽の中心地が見えてくる。南木曽は昔、「三留野(みどの)」と呼ばれていた。


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