国道141号線を渡った先に、「相生の松」がある。 ここも、例の和宮さんが関わっているスポットで、江戸へ下る際に一行が休んだ場所であったようだ。 ここの松は何代目かのもので、当時のものではないようだが。
小海線の線路を過ぎてから、佐久甲州街道の分岐点であった岩村田の街を少しだけ見ていくことにした。 ただ、勘違いして正しい旧道から一本早い、線路からすぐの十字路を左折してしまった。もう少し気を付けるべきだった。 なお、残念ながら、岩村田には中山道の遺構はほとんど残っていない。
本日はここ岩村田までなので、ここからはこの日の宿泊場所を目指す。 中山道沿いからは少し外れるが、岩村田宿と小田井宿の間にある「旅人の宿」へ向かう。 前回の中山道自転車旅の時から目をつけておいた宿である。
時刻は17時を過ぎている。11月の午後5時は既にライトをつけないと走れない暗さである。細心の注意を払いながら、川の左岸を進んでいく。
特に迷うことなく、旅人の宿「三輪舎」に到着することができた。真っ暗の中のサイクリングは精神的に堪えるので、無事に辿り着けて安堵する。
中に入ると、早速部屋に通される。ここはドミトリー形式の宿であるが、他に泊まるのがご家族の方一組だけだったので、ドミトリーの部屋を一人で独占することができた。
あっという間に夕食の時間となる。ご家族の方々と宿の方々との会話に花を咲かせ、食事を楽しむ。
食事の後は、明日以降の旅に備えて、宿でのんびりすることに。 いくら70km弱しか走っていないとはいえ、和田峠越えがあったので、自分の体は感じてるより疲れているだろう。 早めに休むことを決める。
そういえば、ここの宿の本棚には、「全書」と名の付く、とあるRPGの16年前の漫画が置いてあった。 私は直接読んだことはなかったが、色々な所で耳にしたその本。 一度読み始めたら止まらず、あっという間に読み終えてしまった。 小学生の頃はそのゲームの大ファンだったこともあり、ひどく懐かしい気持ちになった。 宿のオーナーからは「そんなものが懐かしいのか」と言われてしまうが……いやいや、二十歳でも懐かしい気持ちになるものなのですよ。